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トップ  >  上野の昔話  >  うえのの狐と穴稲荷
「もし、僧正様、天海僧正様。」
天海僧正は、すぐ近くから自分をよぶ声に、深いねむりから目をさましました。
まだ真夜中だというのに、部屋の中がうす明るく、いくつかの火の玉が、ゆらゆらと動いています。
「きつね火か。」天海僧正が、小さくつぶやいたとき、部屋のすみの方から声がしました。
「おやすみのところを、お起こししてしまい、申しわけございません。
「おっしやるとおり、きつねです」
「なに、きつねだ」
僧正はゆくりと体を起こすと、声のした方を見ました。
そこには、十匹ほどのきつねが、きちんとすわって、深くおじぎをしています。
「ほう、大勢が、いつの間に入っていたか、さすがにきつねだのう。」
「おそれ入ります。わたしは弥左衛門と申します。きつねの親分をつとめております。」
みんなの前にいた、体の大きなきつねが顔をあげました。
「しつれいはしょうちの上で、お願いにあがりました。」
「なに、願いとな。」
「はい。」
弥左衛門きつねは、思いつめた様子で、僧正を見つめます。
「きっと、よくよくのことであろう。申してみよ。」
天海僧正は、やさしくうながしました。
「ありがとうございます。それでは、申し上げます。僧正様は、この上野の山に、大きなお寺をお造りになっておられます。」
「うむ。」
天海僧正は、ゆっくりとうなずきました。
僧正は、江戸城の無事と、徳川将軍の家がますますさかえることをいのって、今の上野公園に、寛永寺を建てたのです。
そのころの上野公園は、建物などはほとんどなくて、昼間も暗いほど、たくさんの木がしげっていました。
ですから、いろいろな動物が住んでいたのです。
とくに、きつねは、むれを作ってくらしていました。
寛永寺は、大きな建物が五つもあり、それをかこむように、お寺や人々のとまる建物などが三十六むねも造られました。今の上野公園は、大小の建物で、うめつくされようとしていたのです。弥左衛門きつねは、ひざの上のこぶしを強くにぎりしめながら、うったえます。「寛永寺が建つ前は、わたしたちきつねは、この上野の山をなわばりにして、みんなでしあわせにくらしていました。それが、次々とお寺が建てられたものですから、わたしたちが走りまわる場所がなくなりました。その上、人間が大勢出入りするので、昼間は外にも出られません。」「そうか、それは気がつかなかった。」天海僧正は、気のどくそうに言います。「ですから、食べる物も手に入らなくなり、ひもじい思いをしております。」「わたしは、住んでいた穴をこわされました。」弥左衛門きつねの後ろにひかえていた、年とったきつねが、ふるえる声で言います。「わたしの子どもは、人間にとらえられて、まだ帰ってきません。」めすぎつねが、なみだを流しながらうったえます。 「よくわかった。江戸の町の人たちが、平和にくらせるようにと願ってしたことが、お前たちをふしあわせにしてしまった。すまぬことをした。」天海僧正はきつねたちに向かって、頭を下げました。きつねたちのすすりなく声がうすぐらいへやの空気をふるわせます。「この天海が、おまえたちきつねのために、住むところと食べ物を、何とかしてあげよう。もうしばらく、がまんしてくれよ。」「ありがとうぞんじます。どうぞ、よろしくお願い申します。」弥左衛門が、ひげをたたみにつけて言うと、ほかのきつねたちも、「どうぞよろしくお願い申し上げます。」と、親分にならいます。そして、しずかにすがたを消しました。天海僧正は、さっそく人をやとって、きつねたちが安心して住めるように、大きくて長い穴を堀りました。また、穴の横にはお稲荷様をまつるほこらを作り、おおくの人に呼びかけて、きつねのえさになる、あぶらあげなどをそなえさせました。そのおかげで、きつねたちは、しあわせにくらせるようになったということです。寛永寺の建物が全部完成したとき、天海僧正は将軍を上野の山にまねいて、せい大なおいわいの会を開きました。僧正が将軍と穴稲荷の近くを歩いていたとき、大木のかげに、たくさんのきつねがいるのを見つけました。先頭には、弥左衛門きつねがいます。「弥左衛門ではないか。また、何ぞたのみがあるのか。」僧正が声をかけました。弥左衛門きつねは、一歩前に進み出ると、きちんとひざまずいて言いました。「僧正様のおかげをもちまして、わたしどもきつねは、しあわせにくらせるようになりました。心からお礼を申し上げます。今日は、将軍様もおいでとうかがいましたので、みんなそろっておむかえしました。ありがとうございました。」「そうか、それはよかった。この後も、なかよくくらせよ。」天海僧正は、にっこりとほほえむと、安心した様子で、また歩き出しました。きつねの穴は、今は、入り口を大きな石でぷさいであります。また、穴稲荷は、明治になってから、すぐそばにりっぱなおやしろがつくられ、花園稲荷とよばれるようになりました。東京都台東区上野公園4-17 穴稲荷神社
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